雄島とあわら市

そして東尋坊からほど近いところに、雄島(おしま)があります。雄島は、約1200万年前に噴出した流紋岩から出来ている岩石島です。「流紋岩」という名前は、マグマが流れ出る時に形成された斑晶の配列などからの流れ模様(流理構造)がしばしば見られることによって名づけられました。東尋坊と同じように、柱状節理が発達しています。

雄島

雄島の大きさは約10.2ヘクタール。標高は27メートル。周囲は2キロメートルです。島には、温暖なな気候を好んで生息するスダジイ・タブノギ・シロダモなどの植物が生えています。

そして雄島には、「自殺した遺体は雄島へ流れ着く」とか「雄島では時計回りが正しく、反対回りをすると死ぬ」といった話があります。

地元の人たちからは、「神の島」とも呼ばれて崇められています。224メートルの朱色に塗られた橋を渡って島へ上陸すると、鳥居があります。鳥居の先には、78段の石段があがります。

左回りが正しい廻り方で、神社の方へ向かうのが正しい島巡りとされています。なんでも反対回りの右回りをすると死後の世界に行ってしまうという言い伝えもあるそうです。

石段を登り終えた左側には「大湊神社」があります。

大湊神社

源義経が落ち延びる時に雄島へ立ち寄って、家臣の兜を奉納したという言い伝えがあります。

その他にも社が朝倉義景の後援を受けていた際に明智光秀が訪れて漢詩を詠んだという話もあります。

かつての社殿は、織田信長の焼き討ちの時に信長の兵によって焼き払われています。21世紀に残る社は棟札によると元和7年(1621年)に造立されたものです。

瓜割りの水

遠くを眺望することができるちょっとご高い所を歩いて行くと、そこからは東尋坊や雄島に渡るための橋を見ることができます。ちょっとしたけもの道を歩くと海岸の近くに湧いている小さな泉があります。その泉は「瓜割の水」と呼ばれています「瓜割の水」は雄島に降った雨が浸み込んだ雨水が、岩の細い割れ目から湧き出ていて、塩気のない真水です。夏でも冷たい地下水です。そして名前の由来は、泉に入れた瓜がその泉で割れたことから「瓜割の水」と呼ばれるようになりました。

磁石岩

反対回りをしてはいけない。と言われている理由の1つには、磁石岩の存在があると思われます。

雄島の何か所かで、方位磁石の向きがずれるほどの岩がいくつかあります。何らかの理由で熱残留磁気が特に強いのですが、一説には雷に打たれたせいで磁界が出来たとも言われています。

あわら市

あわら市は、福井県の北端に位置しています。2004年(平成16年)3月1日に当時の坂井郡と北陸有数の温泉の町あわら町と、東尋坊などへの接続点として栄えた宿場町の金津町が合併して「あわら市」は誕生しました。発足時の人口は32.000人です。

あわら市の歴史

1884年(明治17年)6月・・・芦原温泉開湯しました。

1897年(明治30年)・・・北陸本線森田 ⇔ 小松間開業

1912年(大正元年)5月・・・芦原に電灯がつきました

1935年(昭和10年)2月・・芦原村が町政を施行して、芦原町となりました

1954年(昭和29年)10月・・・伊井・坪江・細呂木・吉崎の四村が金津町に編入して、合併前の町域となりました

1955年(昭和30年)3月・・・本荘・北潟両村が芦原町に編入されて、合併前の町域となりました

1956年(昭和31年)4月・・・芦原温泉で大火事が起きました。旅館16軒と民家308戸が焼失しました

1963年(昭和38年)4月・・・北陸本線福井 ⇔  金沢間が複線電化で開業しました

1972年(昭和47年)3月・・・北陸本線金津駅を芦原温泉駅に改称しました

1975年(昭和50年)9月・・・北陸自動車道福井 ⇔  高岡間開通しました

2004年(平成16年)3月1日・・・坂井郡芦原町と金津町が合併してあわら市が発足しました

紹興市とあわら市

中国浙江省の紹興市とあわら市は、国際友好都市の関係を結んでいます。

それは、紹興市出身の作家の魯迅の恩師、藤野厳九郎があわら市の出身だったことがきっかけです。仙台医学専門学校教授の藤野厳九郎は、持ち前の謙虚さと人類愛から、解剖学の講義やノートの添削を通じて中国人留学生だった周樹人(後の魯迅)を励ましていました。

励まされていた後の魯迅は、藤野厳九郎に励まされていたことが魯迅に勇気と力を与えて、生涯忘れられない「偉大な師」となって、二人の深い絆となったと言われています。

後に、中国の偉大な文学者で思想家となった魯迅は、師である藤野厳九郎への思いを小説「藤野先生」にしたためています。この仙台医学専門学校でのエピソードを記した魯迅著「藤野先生」は、日中双方の中学校の教科書にも採用されています。そのためあわら市内では、藤野が晩年に住んでいた家が「藤野厳九郎記念館」として公開されています。

あわら温泉で蟹食べよう