ズワイガニ その2

漁業

TAC制度(漁獲可能量制度)が導入されたことによって、海域ごとの漁獲量の上限が定められています。日本海での漁は沖合底びき網漁が主体となっていますが、かにかご漁、刺し網や板びき網漁も行われています。 資源保護のために、省令により海域ごとに異なる制限がされています。例えば、富山県以西の海域と新潟県以北の海域では異なる漁獲規制が行われていてます。

・新潟県以北の海域:雌雄とも漁期は10月1日 ~ 翌年5月31日、共に甲幅90ミリ・メートル未満の雄と未成体雌の漁獲は禁止です。

・富山県以西の海域:雌ガニの漁期は11月6日 ~ 翌年1月10日、雄ガニの漁期は11月6日 ~ 翌年3月20日。さらに富山県以西の海域では漁業者の自主協定によって、漁獲量の上限、禁漁区の設定、漁期の短縮、初産の雌ガニの漁獲禁止、省令より厳しい甲幅制限、ミズガニ(最終脱皮前または最終脱皮後1年以内の雄ガニ)の漁獲禁止などのより厳しい漁獲制限がされています。

漁期以外の季節にカレイなどの底引き網漁で混獲されてしまいますが、日本の漁船での捕獲は禁じられているため混獲された時には海に再放流しています。再放流された場合の生存率は30パーセント台とされているので、実態は死んだカニの投棄に近いといえます。この様な状態を解決するために、混獲されるカニを減らすための技術開発も行われています。

資源回復を目指して1964年(昭和39年)頃から福井県や兵庫県などで、放流用種苗の稚ガニの生産技術確立するための飼育研究が行われています。

陸揚げ漁港

食用としてはとても重要な蟹になっています。冬になると生息地の沿岸で多量に捕獲されています。そして、国内で漁獲されるだけではなくロシア・アメリカ合衆国(特にアラスカ州)・カナダ等からも輸入されています。

平成14年(2002年度)の捕獲量

  • 第1位・・・ 境漁港(鳥取県)
  • 第2位・・・ 香住漁港(兵庫県)
  • 第3位・・・ 岩崎漁港(青森県)
  • 第4位・・・ 能生漁港(新潟県)
  • 第5位・・・ 越前漁港(福井県)

食材として

ズワイガニは、冬の味覚としてとても高い人気があります。体色は暗赤色ですが、熱を加えると赤くなります。塩茹でしたものに蒸しガニ。カニ鍋(カニスキ)などで食べられていて、新鮮なものは刺身にしても食べられています。またカニ缶などの缶詰などの原料にもなっています。上品で甘みがある肉と、こってりした味の中腸腺(カニミソ)、メスの卵巣(内子)も食用にします。

甲羅によく付着している黒いつぶつぶはカニビルの卵です。黒いつぶつぶが付着しているカニは「脱皮後の時間が長いことを示しているので、カニの身入りが良い」証拠とされることもあります。ズワイガニの脱皮時期とズワイガニの漁業解禁期間に数ヶ月の期間が開くこともあるので、その間にライフサイクルの短いカニビルはすぐ産卵してしまうということもあるので、黒いつぶつぶが多い方が身入りが良いといわれるのは、あまり信頼性のある目安にはなっていません。

観光産業との関係

ズワイガニは冬の味覚の王様といわれるほど人気が高い食材になっているので、関西地方では、旅行代理店などが温泉地と結びつけたツアーを商品として扱っています。北海道・北近畿・北陸・山陰にはズワイガニ需要によって発展した温泉地も多くあり、これらの温泉地は冬場に最も集客が見込んでいます。

一部の地域の漁港ではズワイガニをブランド化する動きもあって、脚に色違いのタグを取り付けることなどをして販売に力をいれています。しかし、ブランド化はズワイガニとは異なるカニであるとの誤解を消費者に与える場合もあります。

地域ブランド

  • 松葉ガニ
  • 越前がに
  • 間人ガニ(たいざガニ)
  • 津居山ガニ
  • 加能ガニ(かのうガニ)

ブランドのタグ

所属漁港ごとに発行されていて、ブランドとともに漁獲した漁船名・所属漁港が明示されています。プラスチック素材の場合が多いのですが、鳥取県漁連の場合のように特産品の和紙を用いているケースもあります。プラスチックの場合は漁業連合もしくは漁港ごとに異なった色のタグを用いています。タグ取り付けの要件は発行の漁連所属漁船による漁獲というだけではなくて、脚がとれていない・脱皮後の期間による状態(脱皮後すぐは殻が薄く身の入りも少ない)など漁連ごとに一定の品質を定めている事が多くみられます。

あわら温泉で蟹食べよう